実家を出て気づいた、新築の落とし穴

古くて、不便な作りが、
「 本物の家 」づくりの原点でした。

夏休みのある日

誰もいないはずの部屋からトントンと音が響いてきました。私が小学生の夏休みのことです。

実家の二階へ上がってみると、いつも私のことを可愛がってくれた大工さんがそこには居ました。

二階には内装が仕上がってない空間があったのですが、そこに私の部屋を作ってくれるというのです。私は、部屋が出来上がっていくのをわくわくしながらずっと見ていました。

大工仕事

棟梁である父も大工さんといっしょに部屋を作ってくれ、そんな姿をかっこいいなあと思っていたものです。

そんな私の遊び場は父の作業場で、広くて木がたくさんあり道具も揃っています。走り回れるし何でも作れる、加工後のおがくずさえも遊び道具でした。

木の上で家づくり

あるとき友達と木登りをして遊んでいるときに、「ここに家を作ろう!」ということになりました。

単に子供の思いつきで言ったことでしたが、考えただけでワクワクし楽しくなり、即行動を開始しました。作業場からこっそり材料を拝借して、木の上で家づくり開始です。

木の上にある家は、屋根までは作れませんでしたが、友達と一緒に作った思い出と楽しみの詰まった家です。子供のころに見ていたアニメ、「トムソーヤの冒険」にあったハックの家と同じく僕たちの秘密基地でした。

木の家

友達といっしょに作っているとき、完成した木の上の家ではしゃいでいるとき、そこにいるだけでとても楽しかったことを覚えています。

「木の上の家」 これが私の初作品となりました。

その後、大人になり小学校時代の先生に出会ったときに、大工をしていることを伝えると、「お前「大工」になりたいって言うとったからの」と先生は仰られました。当時からそういう想いを持っていたようです。

大手ゼネコンへ就職

物作りをしているのに楽しくない・・

高校は工業高校の建築科に入りましたが、「大工さん」になるためではありません。ただなんとなく入ったのだと思いますが、建築に関してしっかり学ぶことができました。

卒業後、清水建設に就職し現場監督になりました。

日中は現場を監督し、夜職人さんたちが帰ってから次の段取りや調整、施工図面の作成など毎日深夜遅くまで残業です。時には徹夜で現場事務所に泊まることもありました。

一生懸命やって、数十億円のビルや工場が完成していく。「自分の書いた図面でこの建物が出来上がったんだ!」と言う達成感を感じることができました。

しかし、

徹夜してまで取り組んだ建物がどう思われているのか、いち現場監督がお客さんと合うことはありませんでしたから、喜んでもらえているのかどうか、声が届くことはありません。

ただ建物を作っているだけです。これが終われば次、次が終わればまたその次と、こなしていくだけの作業で、達成感や喜びは消え失せていきました。

友達からのひとこと

そんな時、友達に言われました。

「お前、そんなに仕事ばっかりして楽しいがか?」

あれっ!

仕事に追われ、無我夢中で取り組んできた。楽しいはずの物作りの仕事、大きな建物を作り達成感はある。でもお客さんの喜んだ顔、ありがとうって言う声は届かない。一方的な物作りで、単なる自己満足だったのではないか?

ものづくりをしているのに楽しくない。これは私がしたかった物作りじゃない…。

私の前には、お客さんはいなかったのです。

現場監督から大工への転身

そんな疑問を持ち始めたころ、小学生の時に作った「木の上の家」のことをふと思い出しました。作っている時の楽しかったこと、出来上がったときの喜び、友達の笑顔、あのころの思い出が浮かび上がってきました。

あのときの感動や喜びを味わいたい
出来たときの笑顔
喜んでくれる人の声が聞こえる
そんな心の通じた仕事がしたい
と思い立ち、当時小椋建築の棟梁であった父に「大工になりたい」ということを相談しました。

父も反対しましたし、当時の会社の先輩にも止められました。会社勤めをしていれば生活の心配はありません。

しかし、自分の意思は固く、6年間勤めた会社を後にして、小椋建築に大工として就職を果たしました。

小椋建築での修行

大工職人としての日々が始まり、最初は見習いです。

親方にやれと言われたことをやっていくだけです。初めてのことばかりで戸惑いながら取り組んでいました。道具の使い方すらわからず、親方に教えを求めてなんとかこなしました。

すると、説明してくれた最後には「怪我するなよ」と言われます。そのあと、「ケガと道具は自分持ち」と続きます。職人さんによく言われる言葉で、その言葉の通りケガは自分の責任、道具は自分のものを持つことなのです。

厳しいなーと思いつつもプロの世界なんだと感じました。

リフォーム中の小椋

大工の修行

家を作り上げていく大工仕事も、最初はぎこちないのですがだんだん慣れてくると要領も掴めてきます。

釘を打つのにも最初はまっすぐ入らず曲がったりして、「まだまだやの」と大工さんにからかわれましたが、そんな他愛のないことがとても楽しく感じました。

が、楽しいことばかりではありません。しんどいのが、木材・資材などを工事現場までの運搬です。外から中へ、一階から二階へ、最初のころはいつも筋肉痛になってました。

また雨の日や炎天下、雪の降る中での作業、大変な思いも経験し修行しました。

現場監督に逆戻り!

大工として物作りができる充実した日々を送っていたのですが、棟梁の長男として役割もありましたので、作業内容が大工仕事だけではなく、業務全般へと変わってきました。

清水建設にいた時と同じく現場監督の仕事なのですが、住宅建築では全く違った仕事の内容だったのです。

お客様との出会い、お問い合わせがあったその時から、打ち合わせ・資金相談・プラン設計、現場管理、引き渡しと全てに関わることができます。

打ち合わせの過程を知っているからこそ、現場へ反映もスムーズにできます。

自分が全てに関わった家が完成した時は、とてもうれしいものです。なにより、お客さんの顔が見え、声も届きます。

お客さんに喜んでいただけると、本当にうれしくなります。

不便な実家が良い環境

そんな中、結婚を迎え実家を出てアパートに住むことになりました。 アパート暮らしは自由だし、小言も言われないし、以前からあこがれのような気持ちが あり楽しみにしていました。

しかし、実際に住んでみると、床はビニール製で素足で歩くとベトベトし、壁もビニール クロスで湿気が逃げないためか、ガラスは結露し窓廻りやタンスの裏側など、カビが発生 していました。また狭いせいかもしれないけど息苦しさがあり、プライベートとしては良い 環境だったのですが、住環境としてはとても不快な環境でした。

実家は古く不便でしたが、無垢の床に、塗り壁、布クロスと自然素材が要所に使われて います。アパートから実家に用事で来たとき、アパートのような不快さが無く、今まで何気 なく住んでいた実家が快適な環境だったのだと知り、

自然素材の良さを、初めて実感したときでした。

アパートに住み続け体調が悪くなるんじゃないかと真剣に思い始めました。そんな思いと、実家は古く不便ということもあり実家を新築することになりました。もちろん自然素材を 使ってです!ただ全てを自然素材で考えると予算がオーバーするので、寝室や居間など 滞在時間の長い部屋を優先に自然素材を使い工事を行いました。

不便を解消して自然素材を使った、新居の完成!

実家に住んでいるときは、自然素材の良さに気づきませんでした。 環境の良くないところに住んで、始めて気づいたことです。

自然素材のことを知ってほしい

自然素材のことを知らない。
もしかして、そんな人がたくさんいるのではないかと思い始めました。

仕上げ材の打ち合わせをしていると普通で良いですよと言われ、ビニールクロスや合板フ ローリングといった材料を選ばれ、自然素材の名前が出てこないからです。 しかし、これが「今の普通」の家になっているのです。

そしてアパートを体験せずに家を建てていたら、どんな家になっていただろうと考えたこ とがあります。おそらくアパートと同じような家を建てていたかもしれません。 そう考えるだけでも怖くなります。

アパートは嫌になれば引っ越せばいいけど、時間とお金の掛かった新築住宅はそう簡単で はありません。

楽しみにしていた新居が不快な場所になるのは最悪です。

私は運よくそうなりませんでしたが、知らなかったというだけで新居が不快な場所になっ てしまうかもしれません。そんな人を無くすためにも、

自然素材の良さを伝えなくては!!

そんな使命感みたいなものが生まれました、どうしても自然素材を使わないといけない、 と言うことではなくて、自然素材を使ったらどうなるか自然素材とはどういうものかを わかった上で家づくりを考えてほしいと言うことです。

3代目として

写真:先代の建築風景

創業65年、私で3代目になる小椋建築ですが、 今までお付き合いさせて頂いた方から 「小椋さんとこ頼りにしとっちゃ」 「この家あんたのじいちゃんに建ててもらったがだぜ」 などと聞かせてもらえます、喜びや感動の声、 祖父と父が築いてきた財産です。

祖父と父は、住む人のためにプロとしていいと思う家を作ってきました。その正直な家作りが小椋建築が支持されている証なのだと改めて思いました。私もプロとして、そして先代の 思いを引き継ぐためにも、いいと思う家を作っていきたいと思います。

見た目はきれい、でも中身は?

私はアパートに住むことによって自然素材の良さに気づきました。
そして気づいていない人は普通にビニールや合板の仕上げ材を選びます。私も以前はそうでした。

普通に選ばれるビニールや合板の類は、仕上がりがきれいで、品質も均一でよい面がある 一方で原材料が石油だったりします、見た目はきれいですが中身はきれいとは言えません。 そして呼吸をしていません。

くつろいでいる時、食事の時、家族団らんの時、寝ている時
気持ちのいい場所で過ごしてもらいたい、家とは’ほっと’できる場所ではないでしょうか。
そんな安らげる場所が不快な場所になってはいけません。

子供たちや、家族が過ごす場所・手足が触れるような場所には「本物」を使うべきです。

そして、安心して「ほっと」できる 温かく笑顔に満ちた家に住まわれることを願っています。

3代目 小椋孝一へ直接届くメールアドレス

info@ogura-build.com

追伸
家はみんなで作るもの

後悔しない家作りのために 依頼する側とされる側、いっしょに家作りをすることです。
どちらか一方的な家作りは失敗の元、お互いに意見を言い合える間柄でいることが大切です。
家族みんなで 参加した家は、家族みんなの家になるのです。

そして、自然素材を使うだけではなく、太陽の光や風を利用した設計、趣味を存分に楽し めるプラン、家も人も健康・快適でいられる環境、プライベートの確保など、後悔のない 家づくりを、私がお手伝いさせて頂きます。

素敵な家をつくりましょう!

「家は、建ててからが本当のおつきあい」

3代目 小椋孝一へ直接届くメールアドレス

info@ogura-build.com