家全体が冬暖かく、夏涼しい住宅を
できるだけ安くコストを抑え実現させるために
シュミュレーションを行いご提案しています。

3D日陰シミュレーション

「冬暖かく夏涼しい家」「高気密高断熱住宅」など住宅を検討しているとよく目にする言葉ではないでしょうか。

これは家の断熱性能が高くて暖房や冷房が効率良く効きますとアピールしている言葉になるのですが、では実際どれくらいの性能なのかというとこれらの言葉だけでは知ることは出来ません。また費用もいくら掛かるのか知ることはできません。

「“〇〇工法”だから快適」というポエムのような情報ではなく、きちんとした数値で住宅の性能を判断してください。

住宅の断熱性能を表すUA(ユーエーチ)値

車でしたら○○㎞/Lと、燃料1Lで何㎞走行できるかの燃費の指標があり、これを見れば燃費性能の良し悪しを知ることが出来ます。同じように、家の燃費(断熱性能)を表す値も存在します。それがUA値(ユーエーチ)というものです。

Ua値(外皮平均熱貫流率)は数字で表され、数字が小さいほど断熱性能が良いということになります。但し換気による熱損失は考慮されていません。

小椋建築推奨断熱性能値
UA値:0.34W/㎡K

地域ごとに異なる断熱基準

日本は北海道から沖縄まで寒い地域から暖かい地域まで分布しています。下の地図は、それぞれの地域気候、特性に合わせ8つの地域に区分されたもので、地域ごとに断熱性能の基準が変わります。富山県はほぼ全域が「5地域」に該当します。

省エネルギー基準による地域区分

国が定める断熱基準では「次世代省エネ基準4等級」が最高レベル

長期優良住宅や住宅性能表示制度等において、住宅の性能を表す評価の中に、省エネルギーの項目が有り、全国の各地域ごとに数値目標が定められています。

富山県の5地域はUa値0.87W/㎡k以下が4等級ということになります。次世代省エネ基準は4等級が最高等級でこれ以上はありません。ちなみに3等級はUa値1.54W/㎡kです。

ですから、当社が推奨するUa値0.34W/㎡kをクリアしても、次世代省エネ基準という枠組みの中では0.87W/㎡k以下は4等級なので同じ4等級ということになります。

しかし実際の断熱性能はUa値0.87W/㎡kと0.34W/㎡kでは断熱性能がずいぶん違います!断熱材の種類も厚みも違いますしサッシの性能も随分違います。

2020年に国が義務化するはずだった断熱性能の基準が、この次世代省エネ基準4等級(0.87W/㎡k以下)です。このユルユルの基準がなぜか見送られてしまい、現状家を建てるのに断熱基準はありません。

さらに上の断熱性能を定める一般社団法人 HEAT20

国が定める断熱基準とは別に、一般社団法人が定めた断熱性能があります。

深刻化の一途を辿る地球温暖化とエネルギー問題。その対策のために「2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会」が2009年に発足しました。 HEAT20はその略称であり、呼称です。

地球の将来を真剣に考え住宅の高断熱化を推奨する民間団体と解釈しています。 このHEAT20の推奨するG2レベルUa値0.34を弊社では推奨しています。

断熱等級6,7の創設

日本の省エネや断熱への意識が低くしばらく改善は行われなかったですが、世界的な脱炭素の流れで改善されることになりました。2022年4月に断熱等級5、2022年10月より断熱等級6,7が創設されました。これでお施主さんや建築業者の意識が向上し性能の良い家の普及に繋がることと思います。

断熱等級とUa値の一覧表です。

断熱等級数値

*富山県は地域区分5になり0.34W/㎡K以下がG2グレードとなります。

コストを抑えて暖かい、涼しい家にするために
太陽に素直な設計をする

コストを無視し、断熱材の種類・厚さ、窓サッシの種類など全ての材料で最高級性能のものを選択すれば、素晴らしい断熱性能の家ができますが現実にはそんなことはできません。そこでコストと照らし合わせながら、断熱材やサッシの種類・大きさなど一つ一つ組み合わせを探っていく作業が欠かせません。

コストと断熱効果のバランスを見ながら設備や材料を選択していくために、当社ではシミュレーションを行います。

そしてこのシュミュレーションでは冷暖房費や光熱費を同時に算出することが出来るので、このUa値だと光熱費はいくら、というふうにランニングコストも合わせて考えることが出来ます。

平面日陰シミュレーション
隣家の高さ・位置と太陽位置をもとに、日別・時間別に日陰をシミュレーション

冬の太陽光は無料の暖房、取り入れた方がお得です

富山県は太平洋側に比べて冬期間の日照時間が少なめですが、それでもお得です

冬の太陽の日差しは暖かくとてもありがたく、
逆に夏の太陽の日差しは暑く勘弁してもらいたいものです。

これを住宅に当てはめると、冬に日差しが入ると暖房していなくても部屋が暖かくなり、夏は只でさえ暑いのにさらに暑くなります。
なので冬は日差しが入るように、夏は日差しが入らないようにすることが大切です。

具体的には、冬の太陽は低く差し込み、夏はほぼ真上の高い所から日差しが入るので、住宅に庇を設けると冬の日差しを取り入れ、夏の日差しを遮る役割をしてくれます。

8月21日の日射断面
2月21日の日射断面

上の絵(8/21)を見ると2階の日差しは庇でうまく日射遮蔽コントロールできていますが、1階は日射が差し込み暑くなってしまうのでイマイチです。
このような場合は2階同様に庇を設置するか、アウターシェード等日差しを遮る物が別途必要になってきます。
このようなシュミュレーションを行いながら庇の有無や大きさ等を決めていきます。

家の配置が重要

田んぼの真ん中の一軒家でもなければお隣に家があることはごく普通のことです。
隣家があるのによく検討せずに車の位置や家の位置を決めてしまうと、思わぬ影に覆われることもあり残念な間取りになることもあります。

太陽の動きは決まっているので、家が建っていればどこにどれくらいの影が出るかがわかります。その影をシュミュレーションし最適な家の場所を検討していきます。

冷暖房負荷、冷暖房計画、電気代、太陽に素直な設計でシュミュレーション

モデルハウスでは無く、ご提案する実際の家でシュミュレーションを出しご提案します。

各物件につき数十ページにおよぶ計算書
室温やエアコン使用量のシミュレーション

C値(シーチ)も同じくらい重要

小椋建築推奨気密性能値
C値:0.6㎠/㎡ (当社事務所実測) 0.26㎠/㎡(直近現場測定値)

C値(隙間相当面積)は家全体に隙間がどれだけあるかを表します。数字の小さいほど隙間が少なく良いということになります。

どんなに断熱性能の良い家でも窓を開けていたら暖かい・涼しい空気が逃げてしまい温度を保つことが出来なくなります。窓の例は極端ですが隙間が少ない方が断熱や換気の効果は高くなるというわけです。

C値に基準はありませんが1.0㎠/㎡ 以下が望ましいと聞きます。

当社事務所の実測値は0.6㎠/㎡、直近の現場実測値は0.26㎠/㎡、この数字はもっと小さく出来ますし小さくした方がいいと思っています。全国をみると0.1㎠/㎡と素晴らしい数字を出されている工務店もあり当社も目指すところです。

どの程度の燃費性能のある家か、数字で確認するとわかりやすいですね。
この数値を知らずに新築された方が当社の見学会に参加され、ハウスメーカーの営業マンの言葉を信じたばかりに暖かい家を希望していたのに寒い家になってしまったととても後悔されていました。こちらに記載してあります。

こうならないように是非覚えて頂きたいです。