夏のニオイと香り
毎日暑い日が続きますね。
熱中症や夏バテにならないように、こまめな水分補給と十分な睡眠が欠かせませんね。
私も外での仕事が多いため、大量に汗をかきます。
汗をかくと気になるのは、ニオイではないでしょうか。この時期、ドラッグストアやコンビニでも、制汗スプレーや汗拭きシートがたくさん並んでいるので、それだけ、汗のニオイを気にしている人は多いとわかります。
私自身も汗のニオイは気になりますが、仕事柄、木を扱うことが多いので、木の香りには日々癒されています。
木はなぜ良い香りがするのか
当社事務所になります、完成してから1年半経っていますが、事務所へ来られた方からは揃って「木の香りがする」と言われます。私は慣れてしまったせいか香りがわかりませんが、来られる方にはわかるようです。
木には”フィトンチッド”という成分が含まれています。この”フィトンチッド”が良い香りを放つ成分です。
一口に”木の香り”と言っても、木の種類によって香りは違っていますよね。この、香りの違いをもたらす成分が”フィトンチッド”で、杉には杉の、ヒノキにはヒノキのフィトンチッドがあります。
事務所には、タモ材、ツガ材、カラ松材、パイン材、ナラ材と複数の材種を使用しているので、コーヒーで言うブレンド香がしているんだと思います。
木の香りの役割
木の香りには2つ大きな役割があります。
私たちに安らぎをもたらす
木によって香りの違いはあるものの、木の香りは、人の気持ちを落ち着かせる効果があると言われており、森林浴に行くと、リフレッシュできるのは木の香り成分のためだとも言われています。
実際に、木の香りをかぐことで、睡眠が深くなったり、ストレスが緩和されるという実験結果も出ています。
虫を防ぐ
木が香りを出す理由の2つ目は、木が生き延びるために虫が来るのを防ぐためです。
桜の葉などに含まれる”クマリン”という香り成分は、ダニを1日で死滅させてしまいますし、昔から衣類の防虫剤として使われてきた”樟脳(しょうのう)”はクスノキの成分です。
このように、木は香りを出すことで虫が来るのを防ぐため、それが私たちの生活の知恵としても活かされています。
木の香りの特徴
ここでは、代表的な建築材、杉とヒノキについて、香りの特徴や効能を見ていきましょう。
杉の香りの特徴
杉には、香りの成分として、モノテルペン類やセスキテルペン類が含まれています。
これらの香り成分には、リフレッシュ効果、リラックス効果、安眠効果が期待できると言われており、気持ちをリフレッシュしたい時、ストレスでイライラした時、夜なかなか寝付けない時に香りを嗅ぐと高ぶった心を落ち着ける効果が期待できます。
ヒノキの香りの特徴
ヒノキの香りの主成分は、モノテルペン炭化水素類のαピネンです。この成分は鎮静作用や強壮作用があると言われており、高ぶった気持ちを落ち着ける効果と、落ち込んだ気持ちを前向きにする効果が期待できます。
この角材は現場で出てくる、ひのきの端材を小さく切断して積み木として遊べるように作ったものです。作ってから数年経っているのでニオイは薄くなっていますがまだ香っています。浴槽に浮かべると水が浸透して香りも強くでてくるので、少しはひのき風呂の雰囲気を楽しめるかもしれないですね。
香りを生活に活かしてリフレッシュ&リラックス
毎日暑いと、どうしてもイライラしがちです。そんな時に木の香りをかぐとホッとできるかもしれません。
今回は、建築材として代表的な、杉とヒノキの香りについてご紹介しましたが、そのほかの木も、とても良い香りがします。
ちなみにこのきれいではない木材は「ミントの香り」がします。不思議ですね。
木の香りを上手に生活に取り入れて、暑い夏を元気に乗り切りたいものです。