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富山市の多雪区域で後悔しない耐震比較 積雪1.5mを入れた等級の見方

富山市の小椋建築、小椋です。

「耐震等級3の家を建てたい」――最近、そうおっしゃるお客様が増えています。家族の命を守る家ですから、最高ランクを目指すのは当然の思いですよね。

しかし、ここ富山で家を建てるなら、絶対に知っておかなければならない「落とし穴」があります。それは「積雪荷重」という視点です。実は、同じ「等級3」でも、計算に雪を入れるか入れないかで、家の強さは全く別物になってしまうのです。

今回は、私が現在計画中の自邸をモデルに、専用ソフト「ホームズ君」で弾き出した具体的な数値をお見せしながら、富山の家に本当に必要な「強さ」についてお話しします。

そもそも耐震等級の「1・2・3」は何を意味するか→こちらを参考にしてください

「許容応力度計算」とは

簡単に言うと、柱・梁・壁・基礎など部材ごとに、力(応力)に対して材料が許容できる範囲かを数値で確かめる計算です。荷重が大きいと条件が厳しくなり、筋違いなどの耐力壁が多く必要になります。雪があると厳しくなる

富山の冬、屋根には「30トン/20坪」の重りが載っている?

まず、富山県(多雪区域)のルールを知ってください。富山では「積雪1.5m」が載った状態でも地震に耐えられるよう計算しなさい、という決まりがあります。

積雪1.5mは、屋根にどれだけの重さが掛かるのか

富山県は積雪1.5mが載った状態で計算しなさい、という決まりがあります(地域によって異なります)、重さは積雪量 1㎡あたり、1cmごとに30N(約3kg)とする。
富山県の決まりである1.5m(150cm)を当てはめると
約3㎏/㎝×150㎝≒ 450kg/㎡ ≒1500㎏/坪
という計算になります。
20坪の平屋で換算すると、20坪×1500㎏/坪=30,000㎏=30t、屋根の上に30tの雪荷重が載っかることになります。

耐震等級積雪雪込み等級(造語です)
耐震等級3積雪0m雪込み等級3
耐震等級2積雪1.5m雪込み等級4
耐震等級3積雪1.5m雪込み等級5

表現として余計に混乱させてしまったらすみません。ただ、言いたいことは一つで、積雪を入れるだけで要求される強さが一段上がる、というイメージです。

等級3(積雪0m)、等級2(積雪1.5m)、等級3(積雪1.5m)をホームズ君で検証

私は構造計算ができる「ホームズ君」というソフトを普段から使っています。今回は、検討中の自邸をモデルにして、次の3パターンを計算してみました。
・等級3(積雪0m)
・等級2(積雪1.5m)
・等級3(積雪1.5m)

等級3(積雪0m)の耐力壁↓

等級3(積雪0m)の耐力壁、ホームズ君で構造計算

等級2(積雪1.5m)の耐力壁↓

等級2(積雪1.5m)の耐力壁、ホームズ君で構造計算

緑色の矢印が地震の力、青色の矢印が筋違いなどの耐力壁の量です。矢印がいくつもあるのは、設定した構造区画壁ごとに、地震力と耐力壁量を表しているためです。矢印の長さは、長いほど量が多いことを意味します。

OKとなっているのは、地震力に対して耐力壁量が足りている、計算で耐えられる量の耐力壁があります合格ですということです。緑色の矢印(地震力)より青色の矢印(耐力壁量)が大きければOKとなります。

注目してほしいのは、緑色の矢印(地震力)の長さです。
等級3(積雪0m)より、等級2(積雪1.5m)のほうが地震力が大きくなっています。屋根に重たい雪が載った状態で地震が来る想定なので、それだけ地震力が増えるからです。

その増えた地震力に耐えるため、必要な耐力壁量が増え、結果として等級2(積雪1.5m)の耐力壁量は、等級3(積雪0m)より多くなります。

なお、等級3(積雪1.5m)は、等級2(積雪1.5m)の1.2倍という条件なので、さらに矢印が長くなります。

実際に耐力壁の量を比較してみました。

耐力壁と手拾いで算出、等級3(積雪0m)、等級2(積雪1.5m)、等級3(積雪1.5m)

等級3(積雪0m)、等級2(積雪1.5m)、等級3(積雪1.5m)
耐力面材は4.0倍と2.5倍の2種類、筋違いは2.0倍/本として算出します。
モデル住宅自邸、約39坪

1階耐力壁量2階耐力壁量合計耐力壁量壁量比較倍率
耐震等級3(積雪0m)11135.5146.51.0倍
耐震等級2(積雪1.5m)164.583.52481.69倍
耐震等級3(積雪1.5m)2101123222.19倍

こうして並べると、「下に行くほど強い家」という見方がしやすくなります。
そして、耐震等級の数字だけを見ていると、見当違いになることがある。だから積雪が考慮されているのか確認が必要、という結論になります。
耐震等級3だから安心ですね
耐震等級2だから弱いですね
この2つは、どちらも正解であり不正解でもあります。条件が揃っていない比較は、答えがズレるということです。

もし検討中の方は、住宅会社に次の1点だけ確認してみてください。
「その耐震等級は、積雪1.5mを入れて計算していますか?」
この質問への答えで、その会社がどれだけ真摯に富山の暮らしと向き合っているかが見えてくるはずです。家は、家族の命を預ける場所。私たちはこれからも、ごまかしのない数値と誠実な構造計算で、皆さんの家づくりを支えていきたいと考えています。

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昭和21年の創業以来、多くの住宅建築を手がけてきました。
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