断熱等級7とコスト
断熱等級を追い求めているわけではありませんが、最下部に記載したUa値0.30W/㎡k前後になる断熱仕様が断熱とコストのバランスがいい状態だと考えています、断熱の基準はこちら
基準は断熱性能に掛けた費用の回収です。
なぜかというと断熱性能が上がった分冷暖房費の光熱費が削減されます特に暖房費。住み始めたその日から光熱費を抑えられます、例えば外壁付加断熱が無い状態から付加断熱ミラフォームラムダ厚み50㎜を張るとUa値:0.35W/㎡kが0.09ポイント改善して→Ua値:0.26W/㎡kになり冷暖房費が約20,000円/年間安くなります(ホームズ君のシュミュレーションソフトでの計算)
回収に約30年
例えば付加断熱工事費が約650,000円とします(約30坪弱の家)、650,000円/20,000円年間=32.5年、これは断熱性能を良くするために650,000円掛かけ、そして光熱費が20,000円/年間安くなり、このまま32.5年経過すると断熱に掛けた650,000円が回収出来ることになります。わかってもらえるでしょうか説明が下手ですいません。その後は光熱費が安いまま過ごせます。実際には家の形状や住まい方で差違が発生するでしょうが断熱に掛けた費用を回収するのに25年~30年ほどになるようです。
さらに断熱性能を強化
参考までに付加断熱を厚み50㎜から→100㎜にした場合、Ua値:0.26W/㎡kが→Ua値:0.23W/㎡kになり冷暖房費が約3,000円/年間安くなります(ホームズ君のシュミュレーションソフトでの計算)、そして付加断熱工事費が約650,000×2倍=1,300,000円。
まとめると、650,000円掛けてUa値:0.35W/㎡kが→Ua値:0.26W/㎡kは0.09ポイント良くなり冷暖房費が約20,000円/年間安くなりました。
さらに650,000円掛けるとUa値:0.26W/㎡kが→Ua値:0.23W/㎡kは0.03ポイント良くなり冷暖房費が約3,000円/年間安くなりました、
この途中段階を踏まない付加断熱無し状態から考えた場合、付加断熱無しゼロmmから→厚み100㎜とした場合、1,300,000円/23,000円年間=56.5年で回収となります。
外壁付加断熱材、厚み | Ua値(W/㎡k) | 付加断熱費用 | 光熱費(年間差違) | 回収年数(費用/光熱費) |
付加断熱無し「ゼロ」 | 0.35W/㎡k | ここを基準±0 | ここを基準±0 | ここを基準 |
ミラフォームラムダ厚50㎜ | 0.26W/㎡k | +650,000円 | -20,000円/年間 | 650,000円/20,000円年=32.5年 |
ミラフォームラムダ厚100㎜ | 0.23W/㎡k | +1,300,000円 | -23,000円/年間 | 1,300,000円/23,000円年=56.5年 |
これを見ると、ある一定の数値を超えると改良の度合いが鈍化します。
この辺りの数値を目標にするのがいいのかと考えご提案しています(Ua値:0.30W/㎡k~Ua値:0.26W/㎡k)、しかし数値というものは追いかけたくなるものですよね、ご予算が許せば是非。
家に住まいする年数と回収年数
家を建ててから何年住むことになるでしょうか、仮に35歳で新築したとして寿命が85歳と考えると50年間は住むことになります、50年掛けて回収する考えなら50年×高断熱にして削減できる光熱費△△円/年間=〇〇円まで断熱工事に掛けらると考えることができると思います、例えば削減できる光熱費が先ほどの20,000円/年だと50年×20,000円で1,000,000円、これだけの費用が高断熱にかけられます。
このように回収を視野に入れると断熱を良くするためにどれだけ断熱工事に費用を掛けられるか目安とすることが出来ます、
そして断熱等級7(Ua値:0.26W/㎡k)にしたいから断熱材の厚さを増やすのでは無く、快適に過ごしつつ掛けた費用を回収するという考えがあってもいいかもと思います、そうすると断熱性能を表す「Ua値」はそんなに重要ではなくなります、しかし目安としては重要、Ua値合戦が繰り広げられている様相がありますがあくまで目安として捉えて、快適に過ごす家をコストを掛けずに実現することが本質かと考えます、そのような家づくりのお手伝いをさせていただいています。
この快適に過ごす家をコストを掛けずに実現した家の断熱性能が下記の仕様になってきます。
コストバランスが良いと考える断熱仕様、他
先日気密測定した住宅のスペックが出そろいました。
基礎内断熱立ち上がりt90、基礎底盤断熱全面敷き込み
防蟻処理:ホウ酸
壁面高性能グラスウール16kt120、付加断熱ミラフォームラムダt50
屋根面セルロースファイバー50kt225吹き込み
樹脂サッシAPW430全方位
第一種換気熱交換形
結露計算済み
耐震等級2(許容応力度計算)、多雪地域1.5mの積雪(屋根60㎡×450㎏/㎡=27トン)が載っている状態で計算
- Q値:1.06W/㎡k
- Ua値:0.26W/㎡k
- C値:0.20㎠/㎡(全棟気密測定実施)
空調計画、暖房:床下エアコン1台、冷房:小屋裏エアコン1台
屋根:ガルバニウム鋼板、外壁:ガルバニウム鋼板目地無しスパン
太陽光の日射取得と日射遮蔽を検討した設計
足場が解体され家全体の姿が見えました、大きな面積のある外壁はガルバニウム鋼板の目地無しスパンを採用、とてもシンプルですっきりとした印象に仕上がりました。西面には窓が一つも無いんですよね西面もとてもすっきりとしていますそして窓が無いことで熱損失が減り家の断熱効果も高まります。
見学会を開催します、場所は富山市四ツ葉町
こちらの住宅をお施主様のご厚意により見学会をさせて頂きます、日程は2月下旬辺りを目指して工事を進めているところです。決まりましたらブログでご案内しますのでご興味のある方は是非お越しください。また案内がほしいという方は、こちらのお問い合わせより「見学会案内希望」と記載頂きお送りください。