「間取り」や、「太陽に素直な設計」とは別に
「地震」について考えてみませんか。

富山県は地震が少ない地域です、そして地震が発生したとしても比較的被害が少なく大変な体験をしていないためか、地震の記憶もあまりないのかと思います。

そして熊本県も富山県と同様地震の少ない地域でした。

2016年(平成28年)4月14日に熊本地震が発生、しかも震度7の巨大な衝撃が2回も襲いました。

地震により以下の被害が発生しました。

  • 土砂災害発生、死傷者が出ました。
  • 住宅の倒壊、死傷者が出ました。
  • 電力停止
  • ガス停止
  • 水道停止、断水
  • 下水道停止
  • 道路封鎖
  • 交通機関停止
  • 避難所の開設、避難者数196,000人を超える(私の住む旧大沢野町の人口は20,000人余り、その約10倍の人が避難を余儀なくされた)

等々、甚大な被害が起こりました。

地震が発生した後、避難所へ行くか家にいるか

家が倒壊してしまったらどうしたらいいのか、運良く怪我がなければ避難所へ行くことになると思います。
避難所に人数制限がないだろうか、食料はあるだろうか、ペットを連れて行ってもいいだろうか・・・車があれば車中泊ができそう、そんな不安を抱きながらも行くしかない、
そして避難所に必ず備蓄があるとは限りません。
行政の支援は事後3日ほど経過しないと届きません。
防災グッズの入った非常持ち出し袋を常に用意しておき、支援が来るまで自身で備えておくことが大切です。

災害が落ち着いてくると住居のことを考えないといけません。家に戻るか、親戚の家にお世話になるか、知人友人の家か、仮設住宅か、賃貸か、新築か、何にしても倒壊した家には住むことができません。

金銭的な負担

倒壊してしまった家のローンが残っていた場合、これから新築や修理するにしても別のローンが必要で2重のローンとなり家計を圧迫します。

地震保険に入っていた場合保険で新築も検討できるでしょう、こうれからの住居の心配が無くなりますが落ち着くまでに数年の時間と多大な労力を犠牲にすることになります、しかし住居の当てができるだけまだいいです。

修理する場合、被害地域が集中していて建築業者や職人さん達の人手が足りなくなり、すぐには修理に来てくれません、現状2年経っても修理が終わっていない家も見受けられます。

ただ、家が無事なら住み続けることが出来ます、水道、電気、ガス、食料がストップしたとしても平時から備えておけば数日は「自宅」でしのげます、そして災害の後、ライフラインが復旧すれば、住居の心配をすることなく自宅で住み続けられます。

地震被害を軽微にするためには、耐震等級3が有効

耐震性能には国が定めた”等級”があり、耐震等級3というのは消防署や警察署など、防災の拠点となる建物の耐震性に匹敵します。

くまもと型住宅生産者連合会が、熊本地震における木造住宅の建築時期別の損傷比率を調査した表があります。

耐震等級3の家だと無被害が87.5%とあります。耐震等級3の家は無被害または軽微な被害だったので安全に住み続けることができると考えられます。

また、シミュレーションではありますが、さまざまな耐震性能で作られた16棟の住宅を阪神大震災の地震波で揺らしてみた動画があるのでこれをご覧になっていただければ一目瞭然です。

このシミュレーションでは、耐震性能の表示を0.5~2.0という数字で表しています。1.0が耐震等級1(法令上義務づけられている性能)、1.5が耐震等級3に相当します。

この地震波に耐えたのは、耐震等級3(=1.5以上)の住宅だけです。

確実に来る南海トラフ地震に備えて

今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率/
期間と揺れの強さを固定して確率を示した地図の例

今後、南海トラフ地震の可能性が高い確率でうたわれています、日本海側の富山県は大丈夫そうですが絶対とは言えません。そうであればいざという時のために備えておくのが安心ではないでしょうか。

住み続けることが出来る、安心・安全な家を作りたい。

法令上、一般の住宅では等級3までの耐震性能は義務化されていませんが、過去の地震の調査からみて、小椋建築では家族の安全を守るためには耐震等級3が住宅にも必要であると考えています。

耐震等級3の家は、対応している業者とそうでない業者が居るので確認が必要です。大手ハウスメーカーだと安心と思われるかもしれませんが、全てのハウスメーカーが耐震等級3の家を建てているわけではありません、こちらも確認が必要ですね。

また、「耐震等級3」という性能の中にも実は二種類のタイプがあるので、これにも注意が必要です。

一つは、壁の量をもとに簡易的な計算(壁量計算)をして等級を決める方法、そしてもう一つは建物を作る部材(柱や梁、壁)がどのくらい強いのか、どのくらいの負荷に耐えられるのかを緻密に計算(許容応力度計算)をして等級を決める方法です。

より正確に、確実に耐震性能を設計できるのは許容応力度計算です。

なので小椋建築では、許容応力度計算にて耐震等級3の家を建てています。

基礎コンクリート

基礎は地中梁を用いた「一体型ベタ基礎コンクリート」

ベタ基礎完成

構造材(土台・柱・梁)

耐震構造

土台:桧無垢材12cm×12cm、柱:杉無垢材12cm×12cm、梁:米松無垢材12cm巾
いずれの木材も無垢材を主に使用し、一部集成材が入る場合もあります。